ナナ―マネ・女・欲望の時代
ホーフマン，ヴェルナー　著
水沢 勉　訳
パルコ出版　1991　第1刷

画家マネがナナの姿のなかに１９世紀末パリの実相を透視する。マネの絵画、ゾラの小説からマルクスまでを駆使して、実術史家ホーフマンが現代に至る「欲望の時代」を暴く。

目次
１　方法としての侵犯
　あるアンケート
　実証的な先入観
　ブルクハルトとゾラ
２　図像構造
　完璧な均一性？
　デュランティの断片美学
　三角関係
　最初の展示
３　マネ、ゾラ、「オランピア」
　マネの絵と「居酒屋」
　ゾラのマネ弁護
　世俗化されたヴィーナス
　マネの優先権
４　マネの作品にみられる図像理念
　マネとティツィアーノ
　「驚いたニンフ」(1861年)と
　　「テュイルリー公園の音楽会」(1861年)
　ぶらつく男女(フラヌールとフラヌーズ)
　「草上の昼食」(1863年)
　2点の肖像画「アストリュック」(1863年)と「ゾラ」(1868年)
　「バルコニー」(1869年)
　70年代
５　肉と金
　マルクスの売春論
　ジロデ、アングル、モロー、マネ（ダナエ、スフィンクス、オランピア)
　アングル、オーストリエ、クーチュール
　ドラクロワ「起床」―シルクハットの紳士の誕生
　セザンヌ「モデルヌ・オランピア」、「永遠に女性的なもの」
　クールベとプルードンのポルノ政治
　モローとドガ
　「現実的寓意」―マネと1877年のサロン
６　マネと日常芸術
　趣味師範の疑わしさ
　サロン芸術と大通りのイメージ群の中間にいるマネ
　大都会の動物相の長所
　経験対ドグマ
　マネと「近代生活」
　マネの高級娼婦の肖像
　摘要
７　近代生活の英雄性
　古き模範と近代性
　ナナ、神話と現実
　ゾラ、人間化された神話
　観察するひと
８　マネの「ナナ」図像画
　補論　ヨアヒム・ホイジンガー・フォン・ヴァルデック
あとがき
訳者あとがき
写真提供者リスト
図版リスト
人名索引

図版・写真多数

カバーにスレ・キレが見られますが中はとてもきれいです。

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